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ソフトウェアの購入に関連する会計・税務処理
ホームページ制作費用の会計処理
(Q) インターネット上に、広告宣伝用のホームページを開設しました。
その制作のために業者に委託した費用は、
■ 広告宣伝費などとして一時の損金にするのでしょうか?
■ それとも、繰延資産として償却するのでしょうか。
(A)ホームページは、企業や新製品のPRのために制作され、その内容は頻繁に更新されます。
開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられます。
ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当である
と考えられます。
ただし、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年超の場合には、
その制作費用はその使用期間に応じて償却します。
制作費用の中に、eコマース等を行うためのプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)
が含まれるようなHPは、その制作費用のうち、プログラムの作成費用に相当する金額は、
無形減価償却資産(ソフトウェア)として減価償却をします。
この場合のソフトウェアの耐用年数は「5年」となります。
ソフトウェアの導入費用の取扱い
(Q)購入ソフトウェアの設定等に係る費用の会計処理について教えてください。
(A)完成品のソフトウェアを購入し、社内で利用するまでに発生する導入費用の会計処理については、
下記のように考えることができます。
■ 購入ソフトウェアをそのまま導入する場合
ワープロソフトのようなビジネスソフトなどを購入するケースは、追加の作業は、
簡単な導入作業程度であり、一般的には、ほとんど費用が発生しないと考えられます。
■ 購入ソフトウェアの設定等が必要となるケース
財務会計ソフトの科目マスターなどの設定作業が必要となるケースや自社の仕様に合わせて、
画面や帳票などを修正するケースなどがあります。
購入したソフトウェアを使用するために、不可欠な費用であり、
有形固定資産の取得に要する付随費用と同様に、ソフトウェアの取得価額に含めるべき
と考えられます。
ソフトウェアの指導料を支払った場合
(Q)ソフトウェアを利用するために必要なトレーニング費用の会計について教えてください。
(A)ソフトウェアを利用するための環境を整備し、有効利用を図るための費用は、
原則として、ソフトウェア自体の価値を向上させる性質を持つものではありません。
ソフトウェアの操作をトレーニングするための費用は、
発生した事業年度において費用として処理することが適切だと考えられます。
ただし、指導の期間が1年以上及ぶ場合には、
「長期前払費用」として資産計上し、契約期間の月数で割り、各月に費用計上するのが
一般的だと思います。
指導料が20万円未満のものは、支出した年度において一時に費用とすることができます。
トレーニング費用やデータのコンバートの費用などを含めた価額で
ソフトウェア購入契約等が締結されている場合があります。
その際には、当該導入費用は合理的な見積りによって、購入対価とそれ以外の費用とに区分して、
会計処理を行うことが適切であると思われます。
ソフトウェアの除却処理
ソフトウエアにつき物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、
ソフトウェアを今後事業の用に供しないことが明らかな事実があるときは、
ソフトウエアの帳簿価額(処分見込価額がある場合には、これを控除した残額)を
当該事実が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
■ 自社利用のソフトウエアについて、
@ そのソフトウエアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、
当該ソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合。
A ハードウエアやオペレーティングシステムの変更等によって 他のソフトウエアを
利用することになり、従来のソフトウエアを利用しなくなったことが明らかな場合。
■ 複写して販売するための原本となるソフトウェアについて、
新製品の出現、バージョンアップ等により、
今後、販売を行わないことが 社内稟議書、販売流通業者への通知文書等で明らかな場合
ソフトウェアのバージョンアップ費用
(Q)現在使用しているソフトウェアについて、
バージョンアップが行われた場合には、どのような会計処理を行えばよろしいのでしょうか?
(A)ソフトウェアのバージョンアップは大きく次の2種類に区分されます。
@ 仕様の大部分を作り直す大幅なバージョンアップ
A 既存の製品に機能を追加する又は操作性を向上するなど、
それほど大幅ではないバージョンアップ
■ @、Aのいずれも、
新規のソフトウェアの購入等と同様に、
「将来の収入獲得又は支出削減が確実と認められる場合」
には、資産として計上し、それ以外の場合には経費として処理します。
■ 現在使用しているソフトウェアが資産計上されていない場合であっても、
バージョンアップ後のソフトウェアによって、
「将来の収入獲得又は支出削減が確実と認められる場合」
には、これに要した支出は資産計上します。
将来の「収益の獲得」又は「費用の削減」が確実の場合の具体例
将来の収入獲得が確実であると認められる場合とは、
■ ソフトウェアの機能を学生生徒等に提供することによって学生生徒等から利用料を徴収する場合。
■ インターネット予約システムを導入し、
予約増による施設設備利用料等の収入増が確実に認められる場合。
※ 学校法人が制作したソフトウェアを外部に販売する場合などが該当すると考えられます。
将来の支出削減が確実であると認められる場合とは、
■ 学籍管理、履修登録、成績管理、給与計算又は会計処理などのソフトウェアの導入。
※ 業務が効率化し、利用する前に比べ人件費、経費の削減効果が確実に見込まれる場合が
該当すると考えられます。
判断に当たっては、ソフトウェアを利用している実態を
十分に把握して、資産計上の要件を満たしているか否かについて検討する必要があります。
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